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恋歌 《気象系BL》

第3章 second love


潤くんがレジで会計を済ませイルカを小脇に抱え帰ってきた。

「買ってから気がついたけど結構デカイな?
翔さんに車で持って帰って貰えば良かった」

「ごめんね、変なの選んで」

「いいよ、俺もこれが良かったし」

「なんで潤くんが…」

「だって俺に似てるんだろ?だからさ和に抱かれてるみたいで嬉しいかなって」

潤くんがニヤって笑った。

「なんか今やらしい顔した」

「あ~、バレた?和に抱かれてるのちょっと想像しちゃった
ほんとはさ俺が和のこと抱きしめたいんだけどね
さっき水槽のところでさ、スッポリ俺の腕の中に入っちゃったじゃない?抱き心地よさそ~なんて…」

もう、なんでそう言うこと平気で言うかな…

こっちが照れるでしょうよ。

「あれ?和、顔紅いよ」

「潤くんが変な事言うから…」

「ははっ、ごめんごめん
さぁて、これからどうすっかな…
こんなデカイ荷物抱えたままあちこち行けないしな
取り合えず家帰るか…」

潤くんがイルカを抱いたまま歩く姿が可愛くて顔がにやけてしまう。

「なんでずっと笑ってんの?」

「だって潤くん可愛いんだもん」

「可愛い?俺が?」

「うん、潤くんが潤くん抱いてる…」

「それはやだなぁ…
電車に乗ったら和が持ってよ?」

「いいよ、それくらい」


電車に乗ると車内はそこそこ混んでいて

「あ、あそこ空いてる」

ひとりぶんだけ空いてる座席を見つた

「和、座って」

「え、いいよ…潤くん座ってよ」

「だってこれ持ってもらわないと」

潤くんがイルカを指差した。

「あ、そっか…分かった」

潤くんの優しさだよね…俺に気を使わせないように。

だから俺もその好意を素直に受け止めた…

「ありがと、潤くん…」

イルカを受け取ると隣の人に迷惑が掛からないようにとギュッと抱きしめた。

「…ヤバい」

「え?」

頭上から聞こえた声に目を向けると顔を赤くした潤くんと目が合った。

「和、今俺のこと見ないで…マジやばいから…」

何を言ってるんだろうと小首を傾げた。

「もぉ、わざとじゃないよな…」

ため息を吐く潤くん…なにが?


家のある駅に着くと潤くんが俺の前を歩く…少し早くない?

追いかけるように付いて行くと近くの公園に入っていった。
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