第3章 second love
「それにしても意外だったな」
「意外?」
「和が好きって言ってくれたこと…和そういうの苦手そうだから」
「あ~、大野さんがね…『タイミング逃すと俺みたいになっちゃうよ』って、さすがに俺も2年は待ちたくないし…」
「成る程ね、そうだったんだ…智さんに相談しといて正解だったな」
「相談?」
「そう、前から智さんにも和のこと話ししてたんだよ…そしたらさ、ちょっと前に連絡きて『俺も翔くんに返事するから潤も和くんに告白しなよ』って、珍しく智さんが積極的だったんだよ…多分さ、智さん俺たちがお互いのこと好きだって分かってたんだよな…だから俺が和に告白するキッカケ作るのに自分も返事するなんて言ったんだよ…」
「大野さんならありえそう…ボーッとしてるけど人のことよく見てるもんね」
「だろ?たぶんあの人自分のことだけだったらまだ翔さんに返事してないよ」
「じゃあ、翔ちゃんに貸し作ったってことじゃない?」
「あ、そっか…翔さんに今度奢って貰お」
「そんなこと言って、また怒られるよ?」
ふふっ、て笑うと潤くんが俺を見詰めて
「なぁ和、イルカ置きに帰ろ?」
「潤くん?」
「そんな可愛い顔で笑われたらさ、思いっきり抱きしめたいんだけどやっぱイルカ邪魔なんだよね…直接和の事抱きしめたい…」
「…うん、俺も直接潤くんに抱きしめられたい…」
潤くんは俺にチュッとキスをすると
「そんな可愛いこと言われたらここで襲っちゃうよ?」
「ははっ、それは止めて」
潤くんはふっ、と笑うと
「帰ろっか?」
って、手を差し出してきた…
潤くんとだったら恥ずかしくてもいいかな…
俺はその手を笑顔で握り返した。
End