第24章 What is your dream ? #7
部活で大野さんに大会用の振り付けを教えてもらった帰り道。潤くんが少し興奮しながら大野さんのことを話した。
「潤くん、凄く楽しそう」
「あぁ、楽しいよ?ダンスがこんなに楽しいものだなんて今まで考えてもみなかったけどな」
「良かった…」
「なにが?」
「僕ね、気になってたんだ…僕のせいで潤くん野球辞めたのかなって」
雅紀には気にするなって言ってたけどそれでも少し怖かったんだ…
一緒にプロ野球選手になろうって言ってたのに俺のせいで諦めさせたんじゃないかって。
「カズが一緒じゃなきゃ意味ないから…」
「え?」
「だから俺の夢はカズと一緒にって所がポイントなの、カズが一緒じゃなきゃ意味がない…俺はカズとずっと一緒に居たいんだ」
優しく微笑んでくれる潤くん。生まれた時からずっと一緒に居たんだそりゃ僕だって離れたくはない。
「え、と…僕も潤くんと一緒に居たいよ…」
「それってどういう意味で?」
「どういう意味って…」
「俺はカズを誰にも渡したくない」
潤くんに突然手を握られビクッとした。
今までもたまにあったよ?手を繋ぐこと。でも『誰にも渡したくない』なんて…これって告白なの?
「…ごめん、僕、よくわからない…」
潤くんに握られた手が熱い。
それに顔も…僕の身体中のあちこちでドキドキがうるさく鳴り響いてる。
僕やっぱりおかしい?
わからないなんて言ってるのに潤くんと繋いでる手を離したくなくてぎゅって握り返したんだ。