第23章 What is your dream ? #6
一通り踊り終わり動画のチェックをする。
「うわっ!バラバラ!」
雅紀が動画を観て声をあげた。
「まあ最初だからな、こんなもんだろ…みんな踊りを覚えてただけ大したもんだよ」
「こんなんで大会大丈夫?」
俺も少し不安になった。これじゃお遊戯会と変わらない。
「大丈夫だよ、ここからが本番なんだから…まだ始まったばかりだろ?」
「そうだよ、まだ一ヶ月もあるんだから頑張ろ?」
「うんそうだな、まだ始めたばっかだもんな…いっちょやりますか」
「んじゃ、今度は音無しでカウント取りながらゆっくり一つ一つの動き合わせるぞ」
「「「「はいっ!」」」」
大野さんの指導の元、練習をしていく。動きの止め方。腕、脚の角度…事細かに動画や鏡を見ながら丁寧に合わせていった。
「お昼持ってきたよぉ」
練習を始めて2時間程たった頃お祖母ちゃんが昼飯を持ってきてくれた。
「ありがとうございます」
翔さんがお祖母ちゃんからお盆を受け取った。雅紀がお盆の上に掛けられた布巾を取るとおにぎりと唐揚げが山のように盛られていた。
「やったぁー!ばあちゃんの唐揚げだぁ!」
「まぁくん、唐揚げ大好きだもんねぇ」
「うん、ありがとうばあちゃん」
「みんなもたくさん食べなよぉ」
「はい、じゃあみんないただこう?」
翔さんが手を合わせるから俺たちもそれに倣って手を合わせた。
「いただきます」
「「「「いただきますっ!」」」」
翔さんの後について挨拶をする。なんだか幼稚園児に戻ったようだけど、それもまた楽しい。