第22章 What is your dream ? #5
キスから解放された翔くんはとても艶っぽかった。
湿った唇に上気した頬、大きな瞳は涙が溢れるんじゃないかと思うくらい潤んでた。
「翔くん好きだよ…俺と付き合ってください」
改めて気持ちを伝えると翔くんは瞳からポロっと涙を溢し綺麗な笑顔で答えてくれた。
「うん、よろしくお願いします」
こうして俺と翔くんは付き合いだした。
それから数日後、いつものように部活を終え帰る準備をしていると雅紀から俺たちにありがたい提案があった。
「ねえ、ゴールデンウィークって練習どうするの?」
「大会もあるからやりたいけど、なんか予定ある?」
翔くんがみんなに聞いた。俺はない、と言うか翔くんと一緒に居たいから全て予定は空けておいた。
「特にないけど…」
「うん、僕も」
松潤とニノも予定はなさそう。
「だったらさ、合宿やらない?」
「合宿?ダンス部の?」
翔くんが聞き返すと雅紀は『うん』と頷いた。
「俺ね、毎年ゴールデンウィークって田舎のばあちゃんに会いに行くの…
だけど今年は父ちゃんの仕事の都合で家族で行けなくて。でも毎年行ってたからばあちゃんも楽しみにしてたんだよね。
だから今年は俺だけ行って顔見せて来ようかなって思ってんだ」
「で、それが合宿とどう繋がんの?」
松潤が聞くと
「ばあちゃんにそう言ったら『こんな何にもないところに若い子が一人で来ても暇だから来なくていい』って言うんだよ。
でも声が寂しそうでさ、ばあちゃん俺に気を使ってくれたんだと思う…だからさ一人じゃなければ良いのかなって」
「俺たちも一緒に行くってこと?」
翔くんが聞くと雅紀は少し不安そうに翔くんを見た。
「そう、駄目かな?田舎の家だから部屋はいっぱいあるし、近くに町の集会所があってダンスの練習はそこ使って大丈夫なんだけど…」
「俺はいいけど、みんなはどう?」
「俺もいいよ」
翔くんが行くなら当然行くさ。
「俺も大丈夫、カズは?」
「潤くんが行くならいいよ」
「じゃあ決定でいい?」
翔くんが俺たちの顔を見回し俺たちは全員『うん』と頷いた。
「ありがとみんな、ばあちゃん喜ぶよ」
喜ぶのは俺もだよ、翔くんとずっと一緒に居られるんだから。