第22章 What is your dream ? #5
翔くんが俺の事好き?嘘だろ?だって今までそんな様子見せたことなかったじゃん。
「からかってんの?」
「からかってなんかないよ…俺もずっと前から智くんの事好きだった」
俺の首に巻き付いていた腕に更に力が込められぎゅっと俺にしがみついてくる。
「マジで?」
俺の肩に乗ってる翔くんの頭がコクンと頷いた。
マジか…俺夢見てるんじゃないよな?翔くんの背中に腕を回し力を込めた。
翔くんを抱きしめてるリアルな感覚…夢じゃない。
俺は翔くんの肩を掴むと体から離した…恥ずかしそうに視線を伏せ頬をピンクに染める翔くん。
可愛い翔くんはいくらでも見てきた。
それでも今、目の前にいる翔くんは今までで最高に可愛いと思う。
「翔くん…」
静かに呼びかけ頬に手を添える。
翔くんが視線を上げると潤んだ瞳が俺を捉えた。
ゆっくりと顔を近付けると翔くんは瞼を閉じた。
翔くんのぽてっとした唇にそっと俺の唇を押し付けると僅かに翔くんの体が震えた。
すぐに離れ翔くんの顔を見ると真っ赤に染まった顔と耳。
可愛らしくて思わず笑ってしまった。
「ふふっ…」
「え、なに?なにか可笑しい?」
「可笑しくないよ?翔くんが可愛いから笑っちゃった」
「なに、それ…」
「だって顔も耳も真っ赤なんだもん、可愛すぎるでしょ」
「…智くんがキスするから…」
翔くんが少し拗ねたように言う。
「しちゃダメだった?駄目ならもうしないよ?」
「…駄目じゃない」
そう言ってまた俯いて顔を紅く染めた翔くん。
なんでこんなに可愛いんだよ。
俺は翔くんを強く抱きしめ直すと吃驚したように顔を上げたからもう一度その唇にキスをした。
今度は何度も啄むようにキスを繰り返す。
「んっ…」
と、少し苦しそうな声が聞こえたから名残惜しいけど翔くんの唇から離れた。