• テキストサイズ

恋歌 《気象系BL》

第22章 What is your dream ? #5


俺と翔くんは仲の良い友人のまま約一年を過ごした。

そして春、暖かい陽気に草花が芽吹く季節…数日後に我が校でも入学式が執り行われようとしている屋上で翔くんから後輩の話を聞かされた。

嬉しそうな表情と明るい声に俺の嫉妬心も芽吹き出す。

「智くん、中学の時の後輩がね、この高校に入学してきたんだけどダンス同好会見学に来てくれるって」

いつの間に同好会?俺は翔くんとふたりで居られれば良かったのに…なんでそんなに新しい奴を加入させたいんだ?

「相葉雅紀って言うんだけど、雅紀は高校の時に野球やっててね、運動神経もいいし、背も高いんだよ」

なんだよ『雅紀』って、俺のことは『智くん』って呼ぶ癖になんでソイツは呼び捨てなんだ?
しかも背が高い?どうせ俺は翔くんより背が低いよ。

まさかこの一年間翔くんに恋人が出来なかったのはソイツの事が好きだから?それとも既に恋人なんてことないよな?
少なくとも翔くんがソイツと遊んだなんて話は今まで一度も聞いたことがない。

「ねぇ智くん、話聞いてる?」

「ん、聞いてるよ…」

ほんとは雅紀の事が気になって翔くんが何を話していたのかなんて頭に入っていなかった。

「そう?ならいいんだけど…あ~楽しみだなぁ、早く来てくれないかな雅紀」

いつもだったらいくらでも見ていたい翔くんの可愛い微笑みを今は見るのが嬉しくない。

そして新入生が入学してきて一週間後、雅紀は俺の前に現れた。確かに背は高いし、爽やかイケメンだ。

でも、翔くんのことは渡さないからな!
/ 760ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp