第20章 What is your dream ? #3
「でさ、さっきの話…その潤くんがニノに相談なしに決めたんだろ?ってことはさ、ニノに反対されると思ったから相談しなかった…反対されても自分はニノと一緒の高校を受けたかった、ってことじゃないの?だったら何も気にする必要ないじゃん」
「そうなのかな」
「そうだよ、本人が決めたんならそれが松本くんの進む道なんでしょ?ニノが変えたとかじゃないよ」
「そっか…ありがと、ちょっと気が楽になった」
「いえいえ、どういたしまして…ねぇそれよりその松本くん紹介してよ」
「いいよ、たぶん帰りに迎えに来てくれるから」
「迎えに来る?ほんと仲良しなんだね」
「うん」
笑顔でそう頷いたニノはとても可愛く見えた。
放課後、教室に残っているとほんとに松本くんはニノの事を迎えに来た。
ニノが俺の事を紹介すると俺の方をジロッと見た。あれ?俺いま睨まれた?
「はじめまして、相葉雅紀です。俺中学の時ふたりの試合観させて貰ったんだよ」
「ども…」
「今日ニノのこと近くで見てビックリしちゃった」
「『ニノ』?」
またジロリと睨まれた。
「あ、あのね潤くん、二宮って呼びづらいからニノって呼んで貰ってるの」
何か察したのかニノが慌てて間に入って説明した。
「ふ~ん、で?何がビックリしたの?」
「いや、あんな凄いピッチングする人がこんな可愛らしい奴だったから」
「可愛らしい?」
また空気がピリッとした…なるほどね、そういうことか…同じ高校を受ける訳だ。
理由がわかれば簡単、俺はニノに対してその気が無いことをさり気無くアピールしながら話すと松本くんも安心したのか帰る頃には笑顔を見せてくれた。