第20章 What is your dream ? #3
高校に入学すると同じクラスに見知った顔を見つけた。
直接話した事がある訳じゃないけど他に知ってる奴が誰も居なかったからそいつに声を掛けたんだ。
「ねえ君、第二中の二宮くんだよね?」
「そうだけど?なにか?」
「俺、相葉雅紀。中学の時野球部だったんだ…二宮くんのこと大会で見かけたことあったからさ」
「え?そうなの?ごめん、僕あまり他のチームの選手知らなくて」
「あ~、気にしないで?俺の学校強くなかったし、対戦したことがある訳じゃないんだ…俺が一方的に試合観戦させて貰っただけだから」
「そうだったんだ…良かった…いつも潤くんが一緒だから他のチームの人に声掛けられても潤くんが相手してくれてたんだよね」
「潤くん?潤くんってキャッチャーやってた松本くん?」
「そう、僕たち幼馴染みでいつも一緒に行動してるから何でも潤くん任せなんだよね…
僕あまり人と交流持つの得意じゃなくて…小さい頃は僕が潤くんの世話してたんだけど、中学に入ったら逆転してた」
「へ~、で?高校はどうしたの?その松本くん」
「隣のクラスにいるよ」
「え?そうなの?ほんと仲良しなんだねぇ」
「うん、まぁ…」
二宮くんの顔が少し曇ったような気がした。
「なに?何かあったの?」
「僕ね、潤くんに相談しないでこの高校を受験するって決めたんだ…そしたら潤くんもこの高校受験してて…」
「それって二宮くんに内緒でこの高校を受けてたってこと?」
「そう…潤くんは野球の強豪校から何校も誘われてたのに、受験日当日いきなり家に迎えに来て、一緒にこの学校受験したんだ」
「よっぽど二宮くんのこと好きなんだね」
「それは嬉しいんだけど、でも僕が潤くんの人生変えちゃったのかなって…」
「それは松本くんが決めたことだからニノが気にすることじゃないよ」
「『ニノ』?」
「あぁごめん、二宮くんって呼びづらくて、ニノでいい?」
「うん、いいよ」
ニノはニコッと笑った。