第19章 What is your dream ? #2
やっと翔さんが雅紀から離れ俺の方に向き直った。
「で、どう?松本くんと二宮くんは?」
正直俺はやってみたいと思う…けどカズはどうなんだろ?
カズの方を見ると少し俯いて考えてるようだった。
「カズ、どうする?」
そう声を掛けるとカズは俺を見上げた。
「やってみたい…けど、俺体小さいし…」
さっき翔さんが雅紀のスタイルを褒めたからかな…
カズはちょっと躊躇ってるようだった。
「あ、ごめん…さっき雅紀のスタイル褒めたからだね?体は小さくても大丈夫だよ?それで見劣りするとかないから…現に智くんは二宮くんより小さいけど踊ってるときは大きく見えなかった?」
大野さんの事を見ると…ほんとだ、あんま気にしてなかったけど大野さんはカズよりも背が低い…
でも、踊ってるときは凄くでかく感じた。
「ダンスは見せ方でいくらでも上手く見せられるから背の高さは気にしないで?」
「…ならやってみようかな」
カズは確認するように俺を見た。
「うん、いいんじゃね?俺もやってみたいし」
「うん!潤くんがいいならやる」
カズは嬉しそうに笑顔で頷いた。
「よかった~、これで部に昇格出来る」
翔さんがほっとしたような声でいい、嬉しそうな笑顔を見せた。
「えっ?そうなの?」
「もぉ~、言ったのに智くんやっぱり聞いてなかった。
ウチの学校5人いれば部活として認めて貰えるんだよ?だからあと3人探してたの。部になれば大会も参加出来るし、より多くの人に智くんのダンス観て貰えるでしょ?」
「別に俺は踊ってるだけでいいのに…」
「駄目だよ。あんなに綺麗に踊れるんだから皆に観てもらわないと勿体ないよ」
そっか、翔さんは大野さんの為に部にしたかったんだ…健気だねぇ。