第18章 What is your dream ? #1
翔さんと一緒に踊ってた人が音楽を止めるとこちらに向かって歩いてきた。さっきまでキレッキレのダンスを踊ってたのに歩く姿は猫背でトボトボと歩く、まるでおじいちゃんのようだ。
「ねえねえ智くん、この子たちが昨日話した子たちだよ」
さっきまで落ち着いて僕たちに挨拶してた翔さんは『智くん』先輩が近くに来ると急に可愛らしい雰囲気に変わった。
「いらっしゃい…大野です」
穏やかな笑顔を見せペコリと頭を下げられたからこちらも慌てて頭を下げて挨拶をした。
「相葉です」
「松本です」
「二宮です」
次々と頭を下げ挨拶をする僕たちを菩薩のような笑顔で見る大野さんはほんとにさっきまで激しく踊っていた人と同一人物?
恐らくポカンとした表情になっていたんだろう…僕の考えを読み取ったのか翔さんはクスクスと笑い
「凄いギャップでしょ?」
「はい…あっ!いえ!」
素直に答えてしまい慌てて訂正した僕を優しい笑顔で見詰め
「俺もはじめ吃驚したんだ…
去年の今頃、ここでひとりで踊ってる智くんを見つけて、あまりにもカッコいいからず~っと見続けちゃったの。
そしたら智くんに気付かれてこっちに近づいて来るんだけどその姿が全くの別人の様で…面白い人だなぁって見てたら第一声が『一緒に踊る?』だったから更に面白い人だなって思って。
それからずっとここで一緒に踊ってるんだ」
そう話してくれてる翔さんの表情は『面白い人』の話をする人の表情ではなくて…なぜだか凄く可愛いと思ってしまった。