第18章 What is your dream ? #1
放課後、僕の教室に顔を出した潤くんを誘い『翔ちゃん』先輩の待つ部活へ行くことにした。
「ねえ、どこで活動してるの?」
雅紀の後について歩いていくと校舎の階段を昇っていくから不思議に思って質問した。
「屋上」
「屋上?部活なのに屋上で活動してるの?」
「正確には同好会なんだよ、翔ちゃん以外にはあと一人しか居ないから…で、活動する場所も屋上しかないんだって」
「ふたりだけの同好会?大丈夫かよ…」
潤くんも少し不安になったみたいだ。
「大丈夫、大丈夫!」
雅紀が屋上への扉を開くとハイテンポなリズムの音楽と足音?が聞こえた。
「おー!やってるやってる」
雅紀の嬉しそうな声…雅紀について屋上に出るとそこにはふたつの動く影が見えた。
「…カッケェ…」
隣に立つ潤くんからポツリと呟く声が聞こえた。
音楽に合わせ踊るふたり…確かにカッコいい…
ふたりの内のひとりが僕たちに気付き踊りを止め微笑みながら近付いてきた。雅紀に聞かずともわかった…絶対この人が『翔ちゃん』だ。
「いらっしゃい…」
ニコッと僕たちに笑い掛ける…雅紀の言ったことは正しかった…男性なのにこの人美人さんだ。
「翔ちゃん、このふたりが話してたふたりだよ」
雅紀が僕と潤くんの肩に手を置いた。
「雅紀から聞いてたよ、来てくれてありがとう…2年の櫻井翔です」
そう言って手を差し出されたから握手をすると次は潤くんへと手を差し出し同じように握手をした。
さらっとそんなことをこなす『翔ちゃん』は凄く大人に見えた。