第18章 What is your dream ? #1
「凄いカッコ良かったよ大ちゃん先輩!」
雅紀が興奮気味にそう言うと潤くんも同調し
「マジで凄かった!俺、ダンス生で見るの初めてだけどこんなにカッコいいもんなんですね」
「ありがと…でもね、さっきはふたりで踊ってたから俺に合わせて簡単な振り付けだったけど、智くんがひとりで踊るともっとカッコいいんだよ」
自慢気に話す翔さん。
「マジで⁉あれより凄いの?」
雅紀が驚きの声を上げると翔さんはニコッと笑い大野さんを見た。
「うん!ねぇ智くん、ちょっとひとりで踊ってみせてよ」
「ん~?まぁいいけど、そんな翔くんが言うほどじゃねぇぞ?」
「いいから、いいから」
翔さんが大野さんの両肩を押すようにさっき踊ってた場所に誘導した。そして大野さんから離れると音楽のスイッチを入れる。
音楽が掛かった瞬間…大野さんの雰囲気がガラリと変わった。
そこからは僕も潤くんも雅紀も息を飲み大野さんのダンスに見入ってしまった。
音楽が終わると同時に大野さんの表情がふにゃんと緩んだ。
「……スゲ…」
最初に言葉を発したのは潤くん。
「なんであんなに軽く動けるんだ?」
続いて雅紀がぼそりと呟いた。
「ふふっ、凄いでしょ?」
ふたりの様子を見て嬉しそうに話す翔さん。
「俺も踊ってみたい…踊れるようになるかな?」
潤くんが瞳をキラキラ輝かせて大野さんに聞いた。
「お~、なるなる…俺が踊れるくらいなんだから」
「なに言ってんの、智くんの様に踊るのなんて普通の人には無理だから」
翔さんが少し呆れた口調で言う。でも大野さんを見る目はとても優しかった。
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