第18章 What is your dream ? #1
高校に入っても潤くんは野球を続けると思ってた…それなのに
「カズはやらないんだろ?だったら俺もやらないよ」
いとも簡単にそう言った。
でも潤くんの才能を僕のせいで潰したくなくて雅紀に相談したんだ。
「いいんじゃない?俺も高校では野球やらないよ」
「え?そうなの?」
雅紀は潤くんよりも背が高いし、体育で走る姿見たら早かったからてっきり野球部に入るのかと思ってた。
だから潤くんを誘ってもらおうかと思って相談したのに。
「今までは野球しかやってこなかったから野球が上手いと思ってるだろうけど、もしかしたらもっと向いてる物があるかも知れないじゃん」
そう言われればそうだ…僕も潤くんも野球しかやってこなかった。
「雅紀はなにやるか決めてるの?」
雅紀は僕に意味ありげな笑顔を向けた。
「うん、実はさぁ~…」
そんな話を雅紀としたのが2日前…
「今日から部活動見学オッケーだろ?翔ちゃんに話したら凄い喜んでくれて、是非ふたりのこと連れてこいってさ」
「翔ちゃん?」
「この前話した中学の時の先輩」
「あ~、雅紀が言ってた『美人』な先輩ね」
男で美人ってどうなの?って思ったんだけど、雅紀があまりにも力説するから突っ込まずに大人しく聞いてたんだ。
「そう、その翔ちゃんが楽しみにしてたから良かったよ、ふたりがその気になってくれて」
「でもまだ決めた訳じゃないよ?見学だけだからね?」
「それでも良いって、見たら絶対入りたくなるって言ってたもん」
ん~、どうだろ?未知のスポーツ(?)で自分がやってる姿が想像できない。