第18章 What is your dream ? #1
秋の新人戦、僕は背番号1を背負い潤くんと無事バッテリーを組んで大会に望んだ。結果は地区準優勝。
「やったな、カズ!春の大会は優勝しようぜ」
「うん、頑張ろうね」
順調に僕は夢に向かって進んでいってると思っていたのに春になると状況は一変していた。
冬の間に部員の殆どが身長、体重共に一回り成長し体を作ってきた。
それなのになぜか僕は全くといいほど体型が変わらなかったんだ。
皆と同じトレーニングを積んできたのに…
今までエースの座を争ってきた奴も僕とは比べ物にならないくらいパワーをつけてきた。
そして僕はエースの座から外されたんだ。
「なんでだよ!」
レギュラーが発表された帰り道、潤くんがそう言って怒ってくれたけど誰が見ても僕よりもアイツの方がエースに相応しくなってた。
「仕方ないよ、潤くん…もう僕のピッチングじゃ通用しないんだ…球が軽くて打たれたら長打になっちゃうよ」
「それでもコントロールはカズの方が上なのに!」
「ありがと潤くん僕の為に怒ってくれて…でもレギュラー外された訳じゃないし、センターで使ってもらえるだけありがたいよ」
「カズがレギュラー入るのなんて当たり前なんだよ、カズはエースじゃなきゃ駄目なんだ!
俺はカズの為にキャッチャーやってるのに、他の奴の球なんか受けられるか!」
「駄目だよ、そんなこと言っちゃ…春の大会は優勝するんでしょ?」
「そうだけど…」
「僕、もっと努力して夏の大会にはエースに戻れるように頑張るから、潤くんは今のまま正捕手の座をキープしててよ」
そう言うと渋々潤くんは納得してくれた…
でも潤くんとの約束は守れず夏の大会も僕はセンターで大会に出場し、そしてチームは地区優勝した。