第18章 What is your dream ? #1
中学生になっても僕と潤くんの関係は変わらない。
毎朝迎えに行き部活も一緒に野球部に入った。
中学2年の夏休み終わり近くに部活の練習を終えた僕たちはいつものようにふたりで家に帰っていった。
潤くん家の前を通りかかるとちょうど潤くんのお母さんが買い物から帰ってきたところだった。
「カズくん、潤、お帰りなさい…今日も暑くて大変だったわね」
「おばさん、ただいま…暑かったけど、もうすぐ新人戦もあるし頑張らないと」
「そうよねぇ、またふたりのバッテリーが見られるのかしら」
「もちろんだよ!な?カズ」
潤くんが俺の肩に手を置き、ニコッと笑いかけてきた。
「そうだね、まだレギュラーは発表されてないけど潤くんとまたバッテリー組みたいな」
「大丈夫だよ、カズなら…絶対1番貰えるって」
「ありがと、潤くん」
俺も潤くんに向かって笑いかけた。
「あら、潤…カズくんと身長並んだんじゃない?」
「えっ!マジで⁉」
「えぇ、ほらちょっと背中合わせてみて?」
潤くんが俺の背中にピタッと背中を合わせてきた。
「ほらぁ、ほとんど一緒よ?良かったわねぇ潤…ずっと『カズより大きくなる』って言い続けてたものね。毎日一リットルの牛乳飲んだ甲斐があったんじゃない?」
「余計なこと言うなよ!」
「だって事実でしょ?」
「そうなの?潤くん」
「あ、まぁ…うん、ほら、あれだ、体が大きくなれば、カズのボール受け止めやすくると思って」
理由なんか聞いてないのになんでそんなに慌ててるんだ?それに潤くんの顔、少し紅くなった?