第17章 メガネの向こう側
「凄い元気…俺に反応してくれたの?」
「うん…だって翔さん超綺麗で可愛いんだもん」
「そっか…よかった…」
ほっと息をついて、微笑んだ翔さん。ちょっと安心したようだった。
「なんで?何か心配だった?」
「智が、男相手に出来るのかなって…やっぱり男相手じゃ抱けないって言われたら、どうしようかと思った」
「あ~、そういうこと?」
「そんなことって思うかも知れないけど、結構重要なことだよ?
別に身体の関係なしでも付き合ってはいけるけど、でも智はまだ若いから物足りなくなる。
そうなったら、女性を求める可能性だってあるわけだし…
だから早めに試したかった…離れるなら早い方が傷が浅くて済む…」
そんなことまで考えていたんだ…
俺なんて、翔さんのこと抱けたらいいなぁ、くらいの甘い考えでいたのに。
「ありがと…そこまで真剣に俺とのこと考えてくれてたんだね。
俺なんて、能天気に翔さんのこと抱けるんだ、なんて喜んじゃった」
思ったことを素直に口に出したら、翔さんは嬉しそうに微笑んだ。
「それでいいんだよ。自然に抱きたいと思ってもらえてよかった…男としたことないんでしょ?」
「あー、うん…実は男だけじゃなく女性ともない…」
「えっ⁉智、初めてなの?」
翔さんは少し目を見開いて驚いたようだった。
「うん、まぁ…」
「そうなんだ…なんか落ち着いてたから、経験あるのかと思った」
「落ち着いてなんかないよ。ずっと心臓バクバクいいっぱなし」
苦笑すると、翔さんは俺の腕を掴み、妖艶な笑みを浮かべた。
「来て…智…」
翔さんに連れられベッドに上がる。