第17章 メガネの向こう側

「なんだぁ。アドバイスしてもらおうと思ったのに」
　
「アドバイス？」

「そう。だってさ、俺今まで女の子としか付き合ったことないから、男相手にどうしたらいいかわからないんだもん」

俺なんて、女の子相手にもシタことないぞ？大体流れでするものなのか？

でもそっか…翔さんは恋人がいたんだから、経験してるよな。
そんなことまで考えたことなかったよ。

「しゃあない。翔ちゃんに聞くかぁ」

「やめろ！」

「なんでぇ？経験者に聞くのが一番手っ取り早いじゃん」

「そうなんだけど…」

翔さんの経験談を、俺以外の奴にして欲しくない。

「なになに？ヤキモチ？」

「ヤキモチ？」

「じゃないのか？嫌なんだろ？俺とそういう話されるの」

「…うん」

「俺に教えるくらいなら、自分に教えて欲しいと思ったんじゃないの？」

「…そう、だね」

「可愛いなぁ、大野」

相葉ちゃんが俺の頭をクシャクシャッと撫でた。

「やめろよっ！」

「大変だな？年上で経験ありの恋人」

ニヤニヤと笑いながら、ポンポンと俺の肩を叩く。

「ぜーったい面白がってるだろ！」

「ははっ！バレたか」

「どうした？随分楽しそうな声が聞こえてるけど」

突然、愛しい人の声が耳に入ってきた。

「あ～、翔ちゃん。いいところに来た」

「なに？なんか用？」

「ん～、聞きたいことあったんだけど…」

相葉ちゃんが俺の顔をチラッと見た。
まさか、ほんとに聞く気じゃないよな？
俺が軽く睨むと、ニヤッと笑う相葉ちゃん。

「やっぱりいいや。自分でなんとかするわ」

「そう？何か困ったことあれば遠慮なく言えよ？協力出来ることはするから」

「ありがと、やっぱり翔ちゃんは優しいね」