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恋歌 《気象系BL》

第17章 メガネの向こう側


ふたりの前に展示された絵を見て、翔さんは目を見開いた。

「…『まだ見ぬ未来』?」

俺の描いた絵に付けたタイトル…そのタイトルに、俺の想いを込めた。

「そうだよ?俺にとっての未来…」

「この絵のどこが…」

キャンバスに描かれてるのは、翔さんがこちらに向かって幸せそうに微笑んでる姿。

「翔さんの顔に笑顔が戻って、それを隣で見続けることが、俺の望む未来だよ」

翔さんの視線は、絵から逸らされることなく…

「…バカだな、お前…」

「うん…」

「わざわざ、大変で苦しい未来選ばなくてもいいだろ…」

「苦しい未来かわからないだろ?
それに、目標は大きいほど達成感があるんだよ」

「もっと他の目標持てよ…」

「無理だね…今の俺の頭の中は、翔さんのことでイッパイだから、この目標達成しないかぎり先には進めない」

「なんでだよ…なんで俺なんか…」

「さぁ、なんでだろうね?
でも翔さんも言ったじゃん、コントロール出来ないって…俺にもコントロール出来ないんだよ」

「…ほんとバカ…」

「うん」

俺の絵を見る翔さんの瞳から、ポロポロと涙が溢れてきた。
俺の気持ちは、あなたにちゃんと伝わった?

そっと翔さんの手を取り握ると、翔さんも握り返してくれた。

「目標持ってるやつ応援してくれるんだろ?」

「…うん」

「人の意見も尊重してくれるんだよね?」

「…うん」

「翔さん、俺のこと好きでしょ?」

翔さんは一瞬間をあけた後、コクンと首を縦に振った。
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