第3章 second love
「じゃあ、出発するぞ」
翔ちゃんが車を発進させた。
「なぁ和、最近何してんの?」
「何って、相変わらずゲームばっかりだけど?」
「ふ~ん、そっか、大学いる時も?」
「まぁ、講義と講義の間があればそうだね」
「どこでやってるの?」
「え、構内のカフェか天気が良ければ中庭のベンチかな」
「オッケー、分かった」
え?何が分かったんだ?だいたいそんなこと聞いてどうすんの?
「潤、お前苦労してんなぁ」
翔ちゃんが可笑しそうに笑った。
「翔さんだって人の事言えないでしょ」
「まぁね、あ、智くん」
そう言って車を停めた。
大野さんが助手のドアを開けた。
「おはよ、智くん」
「おはよ、翔くん
おはよ、和くん久しぶりだね」
「お久しぶりです、大野さん」
「おはよ、智さん。ちゃんと起きられたんだ」
「おはよ、潤。起きられるよ、馬鹿にしてんの?」
そう言いながら助手に乗り込んだ大野さん。
「いや、夕べ眠れなかったんじゃないかと思ってさ」
「え?智くん昨日何かあったの?」
「ううん、何もないよ。潤、余計なこと言うなよ」
「はーい」
「じゃあ、行くか。水族館でいいの?」
「うん、智さん魚好きでしょ?」
「好き!」
「と言うことだから、翔さんよろしく」
「はいよ」
再び翔ちゃんが車を走らせた。
海岸線を走り水族館を目指す。
その間潤くんはずっと俺に話しかけてくるんだけど、俺と話してて楽しいのかなぁ?
昔は翔ちゃんとばかり話してたと思うんだけど…
大丈夫?俺の話なんて退屈じゃない?でも、顔を見るとずっと笑顔で楽しそうなんだよなぁ。