第17章 メガネの向こう側
あれから1週間…
櫻井の言った通り答えが出ていた。
俺の頭の中は、相変わらず櫻井で占領され、しかも数学の時間と放課後が待ち遠しくて仕方ない。
不意打ちで見かけたりすると、勝手に頬が緩んでたりして。
「智、お前翔ちゃんのこと好き?」
たまたま隣の校舎を歩く櫻井を見つけ、ずっと目で追ってたとき、突然ニノにそう聞かれ、心臓が止まった。
「そ、そんなわけないだろ?」
「なんで?良い先生じゃん、俺は好きになったけど?」
「え…だって、お前、相葉ちゃん…」
「ふ~ん…やっぱり、鈍感な智でも気がついてたか」
「失礼だな、俺そんな鈍感じゃねぇし」
「ははっ!ごめんごめん。今は俺のことはどうでもいいよ。
それより、翔ちゃんのこと好きじゃないの?俺は好きだよ?」
「だから相葉ちゃんは?」
「なんで相葉ちゃんが出てくるの?
俺は、先生として好きだって話してんだよ。相葉ちゃんに対する好きとは別なの」
「あ、そういうこと…」
「そういうこと」
ニノがニヤリと笑った。
「でも、これでわかったよ。智、やっぱり翔ちゃんのこと好きなんだね?」
「な、なんでっ⁉」
「だって、普通男の人を好きって聞かれたら、友達としてとか、人としてとかだろ?
なのにお前は、相葉ちゃんの話を出してきた。
俺が、相葉ちゃんに特別な気持ちを持ってるのをわかってて…
それって、瞬時に翔ちゃんを恋愛対象としてみたってことだろ?」
「あ…」
確かにそうだ。
ニノに「好きか?」って、聞かれて、考えたのは恋愛の相手としての好きだった…
まんまとニノにはめられた。