第3章 second love
「今回の発起人は潤なんだ」
「え?ってことは潤くんも一緒に出掛けるの?」
「そうゆうこと」
ふたりだけじゃないのか…
「あと、智くんもね」
嬉しそうな顔で話す翔ちゃん…
「大野さんは翔ちゃんが誘ったんでしょ?」
「違うよ、潤が誘ったの
今回俺は潤に和を連れて来いって言われただけだから」
ほんとかなぁ…
大野さんは翔ちゃんの大学時代の同級生。
誰からも慕われる翔ちゃん。
来るもの拒まずで多くの友人を持ち誰の面倒でも良くみてた。
でも、大野さんには違ったんだ…
大野さんは自分から人に近づくタイプの人間ではなく、ひとりの時間を楽しむタイプの人。
どちらかといえば俺に近い。
翔ちゃんはそんな大野さんの邪魔をしないように、でも常に近くにいたんだ…大野さんも翔ちゃんにはそのことを容認しているようだった。
今まで見たことのない優しい表情で大野さんを見る翔ちゃん。
すぐに分かったよ…翔ちゃんが大野さんを好きだってことは。
それでも付き合っていないことが唯一の救いだった…今でもその関係は続いている。
大野さんが鈍感なのか…翔ちゃんが優しすぎるのか…
いずれにしても翔ちゃんが一途に大野さんを想ってることに変わりはない。
「で、どう?明日の予定は?」
「…空いてるよ」
「良かった…和連れてかないと潤に怒られるからな」
「潤くんが翔ちゃんに怒るはずないじゃん」
「まぁな、でも今回はやたらと念を押されたからさ」
「そうなんだ…」
「場所はどこか行きたいとこある?」
「ううん、お任せでいいよ」
「オッケー、後で時間連絡するわ」
翔ちゃんはそう言って部屋を出ていった。
久しぶりの外出、潤くんとゆっくり会うのも久しぶりだな…