第16章 sincerely
「いつから⁉」
「先月鍵を貰ったのでそれからはほぼ毎日居ますね」
「まだ正式に同居してる訳じゃないんだよ、だから敢えて智には言ってなかっただけ、智と翔ちゃんだってほぼ毎日智の家に居るんだろ?それと一緒」
そう言われればそうか、俺たちだってこいつらに普段の生活の話してる訳じゃないし。
「それにしてもエロいですねこの絵…モデル翔ちゃんでしょ?」
「そうなの?智、隠して見せてくれないんだもん」
「確かに見せられないですよねぇ、これエッチの最中でしょ?」
「な、なんで…」
バレた?この絵見ただけでわかるのか?描かれてるのは翔一人だぞ?上半身裸だけどそれだって布を纏わせてるからそんなに肌は露出してないし…ただ表情があの旅行の2日目に見せた『映像に残したい翔』ではあるけど。
「え~、わかりますってぇ…和さんも同じような表情しますもん」
相葉がそう言った瞬間ニノの平手が相葉の後頭部を叩いた。
「馬鹿雅紀!もう家に入れてやんない!鍵返せ!」
真っ赤な顔をして怒るニノは怒ってるのに可愛く見えた。
「ごめん、和さん!和さんの方が翔ちゃんより可愛いよ?」
「そんなことで怒ってるんじゃないよ!馬鹿!エロ大魔人!もう雅紀となんかエッチしないから!」
「嘘でしょ?そんなことになったら俺死んじゃうよ」
「そんなの知るかっ!恥ずかしすぎて俺が死ぬわっ!」
「なんで?俺誉めてるんだよ?和さんの方がエロいって、なんで恥ずかしいの?」
「もういい!それ以上言うな!馬鹿!」
俺の絵のせいでニノを怒らせてしまったのは申し訳ないが、構ってる暇はない…ふたりのやり合いを目の端に置いて色を塗り進めた。