第16章 sincerely
翔との初めてのふたり旅を無事(?)終え通常の生活に戻った。でも、実際の翔の誕生日はまだ先で俺はもうひとつの誕生日プレゼントの為に行動を開始した。
「ニノ、ちょっといいか?お願いがあるんだけど」
「ん?智がお願い?珍しいこともあるもんだ、なに?話は聞くけど、オッケーするかはわからないよ?」
仕事終わりのニノを捕まえ翔の目の付かないところへ連れ出した。
「あのさ、暫くお前の部屋お邪魔させてくれない?」
「は?どう言うこと?翔ちゃんと喧嘩でもした?いや、そんなことあるわけないよな…智が嫌われるならまだしも智が翔ちゃんから離れる訳がない」
「なんだよ!俺が嫌われるって!」
「翔ちゃんの嫌がることして嫌われたのかなぁ、って…ふたりで旅行行ってきたんだろ?ハメ外しすぎて変態プレイでもしちゃったのかと」
「相葉と一緒にするな」
そう言った瞬間、ニノがジトっと俺を睨むように見てきた。
「やっぱり雅紀のやつ、智に余計なこと話してるんだね?」
「え、あ、まぁ…色々と教えて貰うことはあるけど、実際お前としてる話は聞いてないからな」
「ふんっ!あんな体力バカのプレイに付きあいきれるわけないだろ?こっちの身体が持たないわ!」
「ふ~ん、付き合いきれないねぇ…ってことは途中までは付き合ってんだ」
そう突っ込むと途端にニノの顔が真っ赤に染まった。
「そ、そんなことどうでもいいだろ?なんで家に来たいんだよ」
図星だな…自分から話振ったクセに。まあいいや、今はニノのご機嫌損ねるわけにいかないし。
「実は…」
翔の誕生日プレゼントの話をしたらニノはニヤニヤしながら聞いていた。ほんとはニノにだって頼みたくないんだけど仕方ない、他に方法ないし。
「なるほどねぇ…いいよ家使って、可愛い翔ちゃんの為だもんね」