第16章 sincerely
「えっ?智さん?」
無言で翔の手を引き強引に歩き出した俺に驚いて付いてくる翔。
人気の無いところまで来ると翔の背を壁に押し付け唇を唇で塞いだ。
「んっ」
いきなりのキスについてこられない翔。舌先で無理矢理唇をこじ開け咥内に入り込み翔の舌を絡めとる。
「ぅん…」
暫く続けてると翔の鼻から抜けるような甘い息と俺の洋服をしがみつくように握る手に満足して唇を離した。
「さ、としさん…?」
俺の突然の行動が理解出来てない翔…それでもその瞳はうっとりと俺を見つめてくる。
「お前が言ったんだろ?俺の想いを知りたいって」
「言いましたけど…」
「だから教えてやったんだよ『いつでもお前とキスしたい』ってな」
「いつでも、って…そんな…」
「俺はいつでもお前とイチャイチャしたいの!それを外では我慢してるのにお前が可愛いこと言うから抑えが効かなくなるんだろ?今夜はおとなしく寝ようと思ってたのに…自分でしたことの責任とれよ?」
「え、あ、はい…」
顔をピンクに染めながら返事をする翔。
「返事したな?覚悟しとけ」
もう一度触れるだけのキスをしてニッコリと笑い掛けると顔を真っ赤に染めた翔。
「何想像してんだよそんな顔して…昨日より激しいの想像した?」
「そ、そんなこと…してま、せん…」
「安心しろよ、今日は優しくしてやるから…」
じゃないと俺自身もしんどいしな。