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恋歌 《気象系BL》

第16章 sincerely


「あ~、楽しかったぁ」

何度目だ?船を降りてからも翔のテンションは高かった…クジラが見られたことほんとに喜んでんだな。まぁ俺もほっとしたけど…これでまた翔がクジラが見られなかったとなるとこの先この旅の思い出が『クジラが見られなくて残念な旅だった』って言い続けることになるもんな。

「翔、次水族館に行こうかと思ってるんだけどいい?」

「もちろん!俺も行きたいと思ってました」

「ならよかった…海続きになっちゃうから違う所にしようか迷ったんだけどさ」

「海続きでも問題ないですよ、ここだから見られるの物なんですから」

「そう言われればそうだな」

「でしょ?さ、早く行きましょ?ジンベイザメ見られるんですよね?」

「そうだよ…クジラにジンベイザメって、翔デカイ生き物好きなんだな」

「だって今まで見たことないんですもん、どのくらい大きいか興味あるじゃないですか…魚類最大級ですよ?それなのに大人しいって…ジンベイザメって優しい生き物なんですよ」

目をキラキラさせながらジンベイザメのことを語ってるけど優しいって…餌がプランクトンだからただ単に他の動物襲う必要がないだけじゃないか?とは思ってはみても無邪気な翔の笑顔を見てると翔がそう言うならそれでいいやと思えてきた。
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