• テキストサイズ

恋歌 《気象系BL》

第16章 sincerely


その時、少し離れた所でクジラが跳ねてるのが見えた。

「うわぁっ!」

船のあちこちから上がる歓声。

『バシャンッ!』

水飛沫をあげながら巨体が海に落ちていった。

「智さん!凄い!クジラ見られた!」

俺の手を掴んでいた翔の手に力が入る。その声からも興奮しているのがわかった。

「良かった…これでこの旅の目的達成だな」

「はい…凄い迫力でしたね」

「あんなデカイのがよく飛べるよな」

「ですよねぇ…でも綺麗だったな~、水飛沫も光が反射してキラキラしてたし…」

「夕べのお前程じゃないけどな」

「え?」

腕の中で翔が振り返り俺を見た。

「ふふっ、昨日風呂の中でイッた時のお前の方が綺麗だったよ」

耳元で囁けば途端に真っ赤に染まる翔の顔…拗ねたように正面に向き直り小さく呟いた。

「もう知らない…」

「なんでだよ」

耳元でそう問えば俺の腕を抱え込むようにしがみつく。

「だって、恥ずかしいことばかり言うから…」

あんなに乱れた姿を見せるのに照れてまだ恥ずかしいなんて言うんだよなぁ…あ~どうしよ、自分で話し振っといてなんなんだけど可愛らしい反応する翔に俺の下半身もちょっと反応しちゃったよ…俺、いつからこんな堪え性のないヤツになったんだ?沖縄特有の開放感か?


その後数回姿を見せたクジラのお陰で邪心を逸らされ、なんとか無事ホエールウォッチングを楽しく終わらせることが出来た。

最後にはクジラが横向きジャンプを見せ、まるでサヨナラの挨拶をしているようだと大喜びで子供のような笑顔を見せた翔…ほんと俺の邪心に気付かれなくて良かった…
/ 760ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp