第16章 sincerely
ホエールウォッチングの予約を午後に入れたからその前に昼食を摂ろうと少し早めにホテルを出た。店を探しながらふらふらと街中を歩いていると翔が心配そうに声を掛けてきた。
「智さん、ほんとに大丈夫ですか?」
「大丈夫だよ、ちょっとした筋肉痛だし…大体さぁエッチ頑張ったから一日無駄にするなんて勿体なさすぎるだろ?」
「それはそうなんですけど…」
心配してくれるのは嬉しいんだけどさ、せっかく翔の誕生祝いで来たんだから心から楽しんで欲しいんだよね。
「そんな理由で翔が楽しみにしてたホエールウォッチング行けなかったなんてなったらさ、夕べしたこと後悔しちゃうだろ?俺後悔したくないよ?夕べのこと…」
翔の耳元に唇を寄せると小さな声で囁いた。
「あんなに気持ち良くてさ、最高に綺麗な翔見られたんだから…」
翔の顔を見ると真っ赤に染まってた。
「翔も気持ち良かっただろ?」
「そんなこと…」
これでもかってくらい耳も首も紅く染まる翔。
「ははっ、言えないってか?でも意識飛ばすくらいだからな、相当気持ちよかっただろ?」
翔の手を取り指を絡ませ握りしめると翔も握り返して恥ずかしそうに頷いた。
「でもあんなことするから…イジメかと思いましたよ?」
「ははっ!そっか…俺イジメてたか」
「結構キツかったですからね?」
「だよな、俺でもそう思うもん」
「なんであんなこと?」
「ん?相葉が気持ちいいって言うから試してみた」
「雅紀が?」
「そう…相葉が色々教えてくれんだよ」
「もぉ、雅紀のやつ…智さんもそんな話聞かないでください」
「俺から聞いてんじゃなくて相葉が勝手に話してくんの…前から思ってたけどアイツかなり経験豊富だよな、あれにつきあってたらニノ大変だぞ?それに比べれば俺なんか可愛いもんだろ」
「ん~、そうなのかな…」
「そうだよ、俺がしてることなんて大したことないって…それに慣れれば絞めなくてもイケるようになるみたいだし…だからまたしていい?」
「…たまになら…」
躊躇いながらも許可を出してくれたってことは翔も悪いもんじゃないって思ったってことだよな?