第16章 sincerely
「え…な、んで…?」
俺の背後で服を脱ぐ翔から不思議そうな声が聞こえた。まぁ、翔的にはそうだよな…何をされてたかわかってないんだから。
「寝てても反応するんだな」
俺が後ろから除き込むと翔は慌てて緩く形を変えていた中心を隠した。
「どういうことですか?」
「さっき体拭いてたって言ったじゃん、ちょっとねタオルじゃ痛いかなぁ、なんて思って胸の先っちょはね舐めてあげたの」
「えっ!舐めた?」
途端に頬をピンクに染める翔。
「だってさぁ、目の前にご馳走だよ?食べたくなるでしょ?」
「そんな…」
益々顔を紅くした。
「翔が悪いんだよ?俺はちゃんと寝なって言ったのに言うこと聞かないから」
「ごめんな、さい…」
親に怒られた子供のようにシュンとしてしまった翔が可愛くてそっと抱きしめた。
「嘘だよ、俺が悪いの…翔が疲れてるから今日はおとなしく寝ようと思ってたんだけど我慢出来なかった」
「いいえ…やっぱり俺が悪いんです。智さんひとりにして寝ちゃったから…俺もひとりにされたらきっと寂しい…」
「しょうがないよ今日は疲れたんだから…だから早く風呂入って寝よう?」
翔の手を引き浴室に向かおうと足を一歩踏み出したが翔がついてこない。
「どうした?」
「…寝ちゃうんですか?」
「え?」
「俺のことこんなにしといて…寝ちゃうんですか?」
恥ずかしそうに俯きながらそれでも上目使いに俺を見つめる翔…勿論すぐ寝る気なんかなかったよ?でも手加減はしてやるつもりだった…もう知らないからな。
「ううん、寝ないし寝かせないよ」
翔は照れながらも嬉しそうな微笑みを浮かべた…ほんとお前に翻弄されっぱなしだよ。