第15章 愛のかたまり
俺だけは違かった?確かになぁ…最初声掛けて来たのは翔くんだったし、その後もやたらと声掛けられて、気が付けば常に翔くんが傍にいた。
今まで人付き合いが面倒くさいと感じてたのに、翔くんだけはそんな風に感じなくて、逆に会えない日は寂しくて…
その気持ちが恋なんだと気付いたのは翔くんに告白された時で、自分の気持ちをどう伝えようかと迷ってるうちに2年もの歳月が過ぎていた。
それでも俺から離れずに傍にいてくれた翔くん。
自分の気持ちを伝えたいと、潤と話してやっと気持ちを伝えられたのは今年の6月…
和くんの誕生日がキッカケだったな。
俺も翔くんに気持ち伝えるから潤も和くんに気持ち伝えなよ、ってふたりで同じ日に告白した。
ドキドキしたなぁ…
翔くんが俺のこと好きでいてくれてるのはわかってたけど、待たせ過ぎちゃったから『今更?』って言われたらどうしようかと思って…
でも『翔くんのことが好き』って伝えた後の、翔くんの嬉しそうな笑顔は今でも忘れられない。
「ありがとね、潤」
「どうしたの?突然」
「ははっ、ごめん…今俺たちが幸せでいられるのは潤がキッカケくれたお陰なんだと思ってさ」
「あ~、でも俺も智さんからキッカケ貰ったし、お互い様だよ」
「そっか」
「そうだよ大野さん…だから俺たちもありがとう」
「うん…」
暫くふたりと話したあと店を後にした。
「ふたりはこのあとどうするの?」
「買い物に行く…クリスマスのプレゼント一緒に探そうと思って」
「そうなんだ、いってらっしゃい…いいクリスマスを」
「智さんもね?翔さん仕事終わったら思いっきり甘えてあげなよ?」
「うん」
そうだね、せっかくふたりで過ごす初めてのクリスマス…楽しまないとね。