第13章 おいしいひととき
夕食の準備が終わり翔さんを起こすために寝室に入る。ベッドの縁に座り翔さんの頭を撫でた。
「翔さん、起きて?ご飯にしよ?」
「ん…」
長い睫毛を震わせながらゆっくりと瞼を開く寝起きの翔さんはこれまた色っぽくて思わず手を出しそうになるのを必死に堪えた。これ以上やったら流石に嫌われるよな…
「翔さん、ご飯食べよ?」
「ん」
ゆっくりと身体を起こしベッドの上に座るとそこからまた動きが止まる翔さん。
「大丈夫?ご飯作ったんだけど食べられる?」
そう言うと顔をばっと上げ俺を見た。
「え?潤が作ったの?」
「うん、翔さん疲れちゃったでしょ?今日は作るの無理だと思ったからひとりで作っちゃった…ごめんね?また今度教えるから」
「いいよ、寝てた俺が悪いんだし…それより潤が作ったご飯食べたい」
子供の様に目をキラキラさせる翔さん。
「うん、温かいうちに食べよ」
翔さんの手を取り二人でリビングへ向かった。
テーブルに並べられた料理を見て翔さんのテンションが上がる。
「うわっ!煮魚!潤、魚煮れるの?」
「うん、大将に教えて貰ったから」
「やったぁ!超嬉しい~」
俺にしてみれば翔さんの喜んでる顔見れる方が嬉しいんだけど。大将に料理習っておいて良かった。
ご飯と豚汁をよそって翔さんの前に出してあげた。
「さ、食べよ?」
「うん!いただきます」
手を合わせ軽く頭を下げた後、翔さんはほんとに嬉しそうに豚汁を口に運んだ。
「うわぁ、超上手いんですけど~」
「良かった、喜んでもらえて」