第13章 おいしいひととき
「凄いよ潤、こんな旨いもの作れるなんて」
「大袈裟だよ、豚汁は肉と野菜から出汁が出るから野菜さえ切れれば誰でも作れるから」
「ほんろに、ほへでほふふれる?」
既に口に思いっきりご飯を含んでる翔さん、ほんとにご飯食べるの好きなんだな。
「ふふっ…」
「はに?」
「だから、小動物みたいなんだってば」
「はっへふほんほひはひんはほん」
「え?なに?」
ゴクンとご飯を飲み込むと翔さんが満面の笑みで俺を見る。
「だって、ほんとに旨いんだもん…思いっきり食べたいじゃん」
「うんいいよ、思いっきり食べて…でもさこれからは俺の前だけにして?」
「なんで?」
「可愛い翔さんをみんなに見られたくないから」
「そんなの誰も見てないよ」
「いいや、見られてるよ…だって笑われたことあるんだろ?それって絶対可愛いと思ったからだよ」
「そんなことないよ」
「あるんだって…男にだって口説かれたことあるんでしょ?」
「うん、まぁ…」
「ほらぁ、だからさ、もう駄目ね外食は極力減らして?」
「う~ん、でも俺まだ料理出来ないし…」
「だったらさ、平日は店に来ればいいし、日曜日は俺が作ってあげるよ」
「ほんとに?だったらいいよ、その代わり美味しいもの作ってよ?」
「勿論!翔さんの為に旨いもの作ってやるよ…その代わり俺にも美味しいもの食べさせてよ?」
「え!だから俺、何も作れないって…」
翔さんが困った顔をしたから俺はニヤっと笑った。
「作らなくていいよ…翔さんのこと食べさせて?」