第13章 おいしいひととき
翔さんの舌を絡めとると翔さんの体がビクッと動いた。
「んっ、んんっっ!」
目を覚まし何をされてるのか気が付いた翔さんの腕が俺の体を突き離そうとしてる。俺は翔さんの後頭部に手を回し押さえつけキスを続けた。何度も舌を絡ませると翔さんも俺のキスに応えるように舌を絡ませてきた。
「んっ…ふっ…ぅん…」
翔さんから甘い吐息が漏れる。
その甘い声に煽られ貪るように翔さんとのキスを続けた。
「んんっ…」
漸く翔さんから離れると翔さんの顔は紅潮し蕩けきってた。綺麗だなぁ、と思ったけど、自分のやらかした事の重大性にも気づく。
「翔さん…ごめん」
「なんで謝るの?」
翔さんの悲しそうな顔…見ていたくなくて視線を落とした。
「だって、寝てたのにいきなりあんなこと…」
「…遊びだったの?」
その言葉に顔をあげると翔さんの瞳には涙が浮かんでた。俺は首を横に振り
「違う!遊びじゃない!俺翔さんのこと本気で好きなんだ」
「だったら謝らないでよ…」
「でも卑怯な真似したから、こんな事するつもりじゃなかったのに…」
「たしかにね、寝込み襲うのは酷いと思うよ」
「だよね…」
「でも…嬉しかったから、謝って欲しくない」
「え?翔さん?」
翔さんの顔を見ると恥ずかしそうに頬を染め俯いていた。
「俺も潤くんのこと…好き」