第13章 おいしいひととき
日曜日を迎えるまでの3日間俺は毎日翔さんの家に弁当を届けた。
翔さんの部屋に入ったのはあの日だけ…翔さんは上がって行けっていうけど疲れてる翔さんを少しでも休ませてあげたかった。
だって、土曜日ですら休日出勤してるって言うんだよ?俺の存在が翔さんの負担にはなりたくないんだ。俺は一瞬でも翔さんに会えるだけで十分だった。
でもさ、なんだか別れる時に翔さんが少し寂しそうな顔をしてるような気がするのは俺の気のせいかな?
「それじゃあ、翔さん明日お邪魔させて貰うから」
土曜日の夜そう告げると翔さんはスッゴく嬉しそうな顔をして笑ってくれた。
「うん、待ってるね」
子供のように純真な笑顔を向けられドキッとする。
ほんとになんでこの人こんなに可愛いんだろう。
長時間この人とふたりきりの空間にいて俺の理性は持つんだろうか…少し不安になった。
楽しみな気持ちと不安な気持ちが入り交じった状態で俺はその日中々寝付けなかった。
遠足前日の小学生かよ…
それでもいつの間にか眠りに落ちていたようで目が覚めれば昼近い時間になってた。
俺は慌てて起きて翔さんの家に向かう準備をする。
買い物まで済ませて行かなくちゃいけないんだからのんびりしてる暇はない。