第13章 おいしいひととき
「………」
「だから言っただろ?散らかってるって」
確かに散らかってるって言ってた、でもここまでとは…部屋自体はいい部屋に住んでるのに。
「いつもはもうちょっと片付いてるんだよ?でも今ほんと忙しくて…」
「翔さん、ご飯の前に風呂入ってきて」
「え?なんで?」
「この部屋少し片付けるから、それからご飯にしよ」
「いや!それは流石に駄目だって、潤くんだってバイトで疲れてるんだから」
「いーやっ!この部屋ほっとく方が俺にはストレスだよ」
「へ?」
翔さんが驚いて俺の顔を見た。
「こんな散らかった部屋で翔さんが生活してるなんて健康にゼーッタイ良くない!」
「そんな…そこまで言わなくても…」
「だってゴミすら片付いてないじゃん、最後に掃除機かけたのいつ?」
「えーと…」
「覚えてないんでしょ?いいから風呂入ってきて、ごみ袋と掃除機だけ出してって」
俺が強めに言うと翔さんは諦めたようで、ごみ袋と掃除機を出して
「お願いします」
と小声で言って風呂に向かった。
俺は速攻でゴミを回収し、脱ぎ散らかってた洋服とあちこちに散らばってた新聞を纏め掃除機をかけた。
掃除機がかけ終わる頃翔さんが風呂から出てきた。髪から滴を垂らしたままで出てきた翔さん…もぉ、冬なんだから風邪ひくよ?
俺は翔さんの前に立つと翔さんの肩に掛かったタオルを手に取り優しく髪を拭いてあげた。