第2章 jealousy
ワクワクしながら日曜日を迎えた。
昨日も何を着ていくか迷ったりして…学生時代、初めてデートした時を思い出した。
普段と違う服装で出掛けるというのは、いくつになっても緊張するものなのかな…
大野さんから連絡が入り、映画館のある駅の改札口で待ち合わせることになった。
先輩を待たせる訳にいかないと30分前には到着していたんだけど、なぜかやたらと声を掛けられる。
待ち合わせしてるからと断るんだけど、次から次へとやって来て…
そんな暇そうに見えるのかな…
確かに同じ所に20分も立ちっぱなしだしな…そんなことを考えてたら
「あの~、今お時間ありますか?」
ふたり組の女の子が声をかけてきた。
「すみません、人と待ち合わせしてるんで」
笑顔で答えると
「え~、でもずっとここにいますよね?
相手の方来ないんじゃないですかぁ」
「いや、俺が早く来すぎたんで、まだ時間じゃないですし…」
「えー、ひど~いこんなカッコイイ人待たせるなんてぇ」
「ねぇ…私たちならぜ~ったい待たせないよねぇ」
しつこく話し続ける女の子たち、どうしたものかと迷っていたら
「悪かったな待たせて」
大野さんの低音ボイスが背後から響いた…
振り返ると、不機嫌な顔をした大野さんと大野さんの腕にしがみついてる侑李くん。
「え?あ、待ち合わせって男の方だったんですか」
「やだぁ、この子可愛い~」
侑李くんに伸ばそうとする女性の手を、侑李くんは睨みながら払い除けた。
「おばさん、気安く触んなよ」
「お、おばさんって!誰に言ってんのよ!」
「あんた以外にいないだろ」
「なにこの生意気なガキ!」
「ねぇ、こんな子供相手にしてないで私たちと遊ばない?」
もう一人の女性がそう言いながら、俺に向かって手を伸ばして来る…
が、その手が俺に届く前に、大野さんの手が俺の腕を掴み引き寄せられた。
「しつこいよ、あんたら
こいつにも気安く触んないでくれる?」
「なによ、少しくらいイケメンだからってお高くとまっちゃってさ
感じ悪っ!」
「もう行こっ‼」
やっとふたり組が離れていった。