第12章 gift
食事を終えてソファーで余ったワインを飲みながらまったりと過ごす。やっぱりこの時間好きだな…
「ワインまで用意してくれてたんだな」
「一応、外で食事をしても家に帰ってきてからまたゆっくりお祝いしたいなって思って」
「ありがと、色々考えてくれて」
「だって初めてだったから…恋人の誕生日祝うのってどうしたらいいのかわからなくて」
「俺は翔がいてくれるだけで良かったのに、でも嬉しいよこんなに色々して貰えて」
良かった喜んで貰えて…いつも与えられてばかりだから俺からも何かしてあげたかった。
「翔…おねだりしていい?」
「なんですか?俺に出来ることならなんでもしますよ?」
「翔からキスして貰いたいなぁ」
優しく見つめてくれる智さんの瞳を見つめ返し体を伸ばして唇にそっと触れた。
「もっと…こっち来て」
智さんが自分の腿を叩く…横向きに座ると
「じゃなくて俺の脚の上跨いで?」
跨ぐ?智さんが腕を引いてくれて膝立ちで智さんと向かい合う形になった。
下から智さんが見上げる。
「翔、キス…ちょうだい」
男の色気漂う視線で射抜かれ少し掠れた声で誘われると背中がぞくりとした。
智さんの両肩に手を置いてゆっくりと近付き何度も啄むようなキスをした。
何度か触れると智さんの手が後頭部に回り、そのまま押さえ付けられた…唇を開き智さんの舌が入ってくるのを待ち受ける。
「んっ、ふ…んん…」
キスに夢中になっていると俺の脚をさわさわと智さんの手が撫でた。
「あ!んっ…」
「翔の脚スベスベだね、剃ったの?」
「んっ、朝、まさ、きに…」
「あいつ、いい仕事するなぁ…」
感心しながらも智さんの手は動き続け更に腿の方まで上がってきた。
「こういう時、スカートっていいね」
楽しそうに笑う智さん、着替えさせなかった理由ってこれ?