第12章 gift
俺の部屋に戻ってくると雅紀が大荷物を下ろして俺を見た。
「翔ちゃん、とりあえずシャワーしてきてくれる?」
「え、あ…うん」
昨日あのまま寝ちゃったからシャワーはしたかったけど、帰ってくるなりいきなり?雅紀の考えてることが全くわからない。
「シャワー終わったらさ呼んで?」
「え?なんで?」
「準備があるから」
「準備?なんの?」
「もちろん、サプライズの…なんなら一緒に入ってもいいんだけどさぁ、さすがに大野さんにバレたら殺されるから止めとくわ」
「じゃあ、俺一緒に入っちゃおうかな?」
二宮さんが笑顔を見せる。
「和さんはダメ~」
雅紀が二宮さんを後ろから抱きしめた。
「へぇ~、翔ちゃん相手でもヤキモチ妬くんだ?それとも翔ちゃんにヤキモチ妬いてんの?」
二宮さんがおかしそうに笑った。
「和さんに決まってるじゃないですか」
「ほんとかなぁ?」
「証拠見せましょうか?」
雅紀が腕の中の二宮さんをクルっと回し、向き合って見つめあった。
なんだか見ていられなくて
「あ、あの!俺、シャワーしてくるから!」
「ふふっ、いってらっしゃ~い…やっぱ可愛いなぁ翔ちゃん」
二宮さんが顔だけこちらを向けて笑った。
「翔ちゃん、ゆっくりねぇ…和さんはこっち向いて?」
雅紀が二宮さんの顎に指を添えるのを見て慌てて風呂場へ行った。
雅紀に言われた通りゆっくりとシャワーをして出ていった。
リビングに戻ると二宮さんが雅紀に凭れきるようにしてソファーに座っていた。
俺がいることに気がついた雅紀が振り返った。
「あ、お帰り~翔ちゃん」
「ただいま…」
「和さん、ちょっと待っててね」
「ん…」
雅紀を見る二宮さんの表情が色っぽくって、以前に見たふたりのキスシーンを思い出してしまった。
「翔ちゃん、どうかした?顔赤いよ?」
「ううん!何でもないよ」
慌てて首を振って誤魔化した。