第12章 gift
誕生日前日の土曜、いつものように智さんの部屋で過ごした。
12時を迎えるとき俺は智さんの腕の中。
「あ、ん…智さん、もうすぐ12時…」
「うん、わかってるよ」
智さんは動きを止めることなく笑顔を見せる。
「あっ、ん、ねぇ…おめでと、う…言い、たいか、ら止ま、て…」
「やだ、『おめでとう』よりもお前の可愛い声聴きたい」
そう言って更に深く腰を押し込んできた。
「ああっ!やだっ!やめっ!」
「やじゃないよ、その声が聴きたいの…俺の誕生日なんだから何を欲しいかは俺が決めていいでしょ?」
そう言われればそうかと、ぼーっとした頭の回らない状態の俺はすんなり納得した。
「あっ、あ、ん…さ、とし、さん…もう、イキ、そ…」
「うん、一緒にイこうな…」
嬉しそうな笑顔を見せると今度は真顔になって一気にスピードを速め、更に俺の中心を擦りあげる。
「あんっ、あぁ、あ、あ、ああっっ!さと、しさ、んっ!」
一緒に熱を吐き出すと智さんは俺の上に覆い被さってきた。
息も絶え絶えだったけど、どうしてもおめでとうを言いたくて何とか声を絞り出した
「はぁ…さ、としさん、たんじょ、び…おめ、でと…」
智さんの身体が俺から離れていく。うっすら目を開けると嬉しそうに微笑む智さんの顔が見えた。
「ありがと、翔…最高の誕生日迎えられたよ…」
ふたりで迎えた智さんの誕生日…この前智さんが言ってた通りふたりだと幸せも倍になるんだ。自分の誕生日でさえこんなに幸せを感じた誕生日は今までなかった…そしてその幸せな気持ちのまま眠りに就いた。