第11章 幼馴染みのアイツ
「そうなのかな…もしそうなら嬉しいけど、でもやっぱりもっと雅紀と触れあいたいよ」
「やっぱり可愛いね、和くん…雅紀に伝えてみたら?その気持ち。受験までこの状態が続くのも精神的に良くないと思うし」
「だよな?高三なんてヤりたい盛りじゃん、俺たちだって週一でしてたけど足りなかったもんな?」
「もう!智くん、余計な事言わなくていいから!」
真っ赤に染まる櫻井さん…大野さんじゃないけど可愛いと思った。
「大野さん、櫻井さん…俺雅紀と話してみる」
「うん、頑張れ和くん」
「やり方は雅紀に教えてあるからな?その点は心配するな」
「ありがと…」
「で、どうする?今日は勉強教える所ある?」
「あ、うん…せっかく来て貰ったんだから教えて?」
「いいよ、雅紀の為に勉強も頑張ろうね?」
「お願いします、櫻井先生」
しっかり勉強もして雅紀に心配掛けないようにしなくちゃ。
その週末、親戚の叔父さんが体調を崩したからと両親が泊まりがけで見舞いに行くことになった。
これってチャンスじゃない?
雅紀に連絡して、その日勉強を見てもらう約束をした。
なんだか緊張してきたな、櫻井さんにアドバイス貰っておけばよかった。でも大野さん、雅紀に教えてあるって言ってたし…ドキドキとソワソワが止まらない。