第11章 幼馴染みのアイツ
「え、どうして?何かあった?」
俺は首を横に振った。
「ううん、逆…何もないんだ…俺たちまだ触れるだけのキスしかしてなくて…だから雅紀、俺の事ほんとに好きなのかなって…」
「ぷっ!」
「智くん、笑ったら失礼だよ」
「だって、雅紀ずいぶん我慢してんなぁって思って」
「我慢?」
「うん、我慢…あいつずっと俺たちのこと羨ましがってたよ?俺たちも幼馴染みなんだよ…でもさ俺たちは同じ年だし、お互いの気持ちを知ったの中学生の時だから付き合い出したの早いし、初体験は高一の夏だしな?」
「智くん!そこまで言わなくていいから…」
顔を紅く染める櫻井さん。
「雅紀とは俺たち大学に入ってからの付き合いだろ?始め俺と雅紀が友達になって翔との事知ってから色々とあいつ聞いて来るんだよ…男同士で付き合うって不安じゃない?とかさ…だから言ってやったんだよ、翔が居なくなることの方が不安だって…ずっと一緒に生きてきたからな、失うことの方が怖い…」
そう話す横で櫻井さんの瞳が潤んでた…やっぱり羨ましいな。
「雅紀も頷いてたよ…だけどさ、雅紀と和くんの場合年が違うじゃん、雅紀はお兄さんになっちゃってんだろうな…和くんの受験が終わるまで待とうとしてんだよ、きっと」
「雅紀がそんなこと思ってくれてるの?」
「たぶんな?だってあいつ俺に男同士のエッチの仕方聞いてきたぞ?」
「智くん!」
「だってほんとの事じゃん…和くんとの事、ちゃんと考えてるってことだろ?男同士って準備必要だし」
「そうなの?」
「そうだよ?体に負担掛かるしな…俺たちは慣れもあったから受験生の時もしてたけどそれだって回数は減らしてた。和くんは初めてだからさ…雅紀の奴我慢してんだよ」