第11章 幼馴染みのアイツ
お互いの気持ちを知ってから1ヶ月…雅紀は週に1,2回家に来て勉強を見てくれる。
「今日はここまでね?」
「ん、ありがと…」
「どういたしまして、和がうちの大学に入る為だもんね…翔ちゃん程ではないけど、俺も少しは役に立つでしょ?」
「少しは所じゃないよ、凄く助かってる」
そう言うと雅紀は嬉しそうに微笑んだ。
「んじゃ、俺帰るね…おやすみ和」
雅紀は立ち上がると俺に近付いてきて一瞬触れるだけのキスをして帰っていった。
いつもそう、付き合いだして1ヶ月経つのに雅紀は触れるだけのキスしかしてくれない。今どきこんなキス小学生だってしてるよ。
確かに初めてして貰ったときは嬉しくてドキドキした。
でも今は物足りないんだ、もっと触れたいと思うのは俺だけなのかな…
雅紀はほんとに俺のこと好きでいてくれてる?大切な人って言ってくれたけど、それってどれくらい大切なの?
モヤモヤした気持ちを解決したくて、櫻井さんにLINEを送った。
『わからない事があるので教えてください』
雅紀に手が負えない問題があると櫻井さんが家に教えに来てくれる…必ず大野さんが同伴なんだけど。
あのふたり見ていてとても羨ましいんだ…お互いの事ほんとに好きなのがわかるから。
俺も雅紀とそうなりたい。