第11章 幼馴染みのアイツ
えっ?ちょっと待って、俺凄く恥ずかしくない?
勝手に勘違いして、勝手に泣いて…しかも雅紀にしがみついちゃった…
一気に顔が熱くなるのがわかった。
「ふふっ、和くん可愛いねぇ…雅紀が大切にするのわかるわ~」
「だな…でも翔も可愛いよ」
ニコニコの笑顔で櫻井さんを見る大野さん。
櫻井さんが頬を紅く染める。
「はいはい、大ちゃんが翔ちゃんのこと大好きなのはわかってるから…さっきまで揉めてたくせに見せびらかすなよ、もぉ~」
「ごめんな、雅紀」
「ごめんね、雅紀」
ふたり同時に謝った。息ピッタリだな…
「で?ここからは別行動でいいんだろ?」
大野さんが雅紀に聞いた。
「うんいいよ、ごめんね?折角の休みに翔ちゃん借りちゃって」
「そんなこといいよ~、和くんに会えて嬉しかったし、智くんが寝坊したのが悪いんだから」
「え~、またそれ言う?もう許して?翔」
「ん~、じゃあ今日のお昼は智くんの奢りね?」
「わかってるよ、んじゃ行くか…またな、雅紀、和くん」
「バイバ~イ」
大野さんの隣で手を振る櫻井さん…雅紀といる時よりも可愛く見えた。
「さて、和どうする?家に帰る?帰るなら俺も帰るけど」
「…ううん、ご飯食べに行く…」
「よし!じゃあ行こう!」
嬉しそうに笑う雅紀がいた…俺だけに見せる大好きな雅紀の笑顔。