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恋歌 《気象系BL》

第10章 最愛のひと


無事挙式が終わり新婚旅行に出掛けたふたり。

ヨーロッパに1週間って言ってたな、明日には帰ってくるけど暫く翔に会うことはないだろう…

そう思っていたのに、翌日翔から連絡が入った。

『明日会いたい』

まだ帰ってきて2日目だぞ?

やっぱり駄目なのか、あいつは…

次の日翔とホテルで待ち合わせした。言われた部屋に着くと既に翔は来ていた。

「智!」

扉を開くなり俺を抱きしめる翔。

「翔、部屋に入れ」

「あぁ、ごめん…嬉しくてつい」

「ねぇちゃん大丈夫なのか?」

「ん、友達にお土産渡しに行くって言ってたから…俺も暫く仕事してなかったから遅くなるって言ってきたし」

「そっか…」

「智…ごめんね」

「何が?」

「色々と…」

苦痛に歪む翔の顔。

「謝るのは俺の方だろ?俺の為に結婚させた」

「いいんだ…智にならどんなことをされても」

「翔…」

「あ、ねぇご飯食べた?俺まだなんだよね、さっき頼んだんだけど」

「俺もまだ食ってない」

「よかった…智上着脱いだら」

俺の上着に手を掛け脱がせてくれる翔…まるで新婚の嫁さんだな。

メシを食ってる最中も翔はずっと俺の事を見つめ続ける。

「なんだよ、そんなに見てんなよ…今日お前おかしくないか?」

「そんなことないよ、久しぶりに智に会えたから嬉しくて」

「新婚の奴が言うセリフじゃないな」

俺は苦笑した。
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