第8章 Lovers
ぎゅっと翔を抱きしめると俺にしがみついていた翔の腕から力が抜けパタリと落ちた。
「翔?」
呼吸を整えながら翔の顔を見ると、今までで一番の色っぽい表情で吐息混じりの荒い呼吸を繰り返えす…その様子があまりにも綺麗で自然と翔の体に手が伸びる。そっと肌に触れると
「ぁっんん!」
脱力仕切っていた翔の体が跳ね上がる。この世のモノと思えないくらい優艶な姿…
「翔…大丈夫?」
耳元で囁けばそれだけで吐息を吐きながら身悶える。うっすらと開いた瞼の奥には誘っているのかと勘違いしてしまいそうな瞳が潜んでいて
「…さと、し、さん…」
少し震えてる両手で俺の体に弱々しく抱きつくからもう一度ぎゅっと力を込めて抱きしめた。
「大丈夫か?」
腕の中で頷く翔。髪を撫でてやるとだいぶ呼吸も落ち着いてきて腕の震えも止まった。
「どこかキツいとこあるか?」
顔を覗き込み視線が合うと恥ずかしそうに視線を逸らし首を横に振る。
「ほんとに?」
「ほんとに…」
照れてる翔が可愛くてつい意地悪したくなる。
「じゃあ、気持ち良かった?」
そう聞くと思った通り顔を真っ赤に染める。何も答えない翔に
「気持ち良くなかった?」
頬をピンクに染めながらも慌てたように首を横に振り
「…よかった、です…」
視線を伏せ恥ずかしそうに翔が呟く。その姿が可愛くて
「あっん!智さん?」
翔の中に入ったままの俺が反応すると翔は驚いたように俺を見た。
「ごめん…けど、可愛いお前が悪い」
視線を外した翔から意外な言葉が
「……もう一度しますか?」
まさかの翔からのお誘いに益々俺が反応する。
「いいの?」
一応形だけの確認すると
「ふふっ、駄目って言っていいんですか?」
「ううん、駄目」
そう言って一度翔の中から出ると多目にゴムくれた相葉に感謝しながらつけ直した。