第8章 Lovers
「謝らな、いで…大、丈夫、だか、ら…」
荒い呼吸を続ける翔は俺の頬に手を添え微笑んだ。
頬に添えられた手に俺の手を重ねてぎゅっと握る。
「でも、泣かせた…泣かせたくなかったのに…」
翔はフルフルと首を振ると
「いいんです…辛くて泣いたんじゃないから…幸せで…幸せすぎて涙が止まらなくなった…」
「翔?」
「なんで今まで怖がってたんだろ…一つになれるって凄く幸せなことなのに…」
そう言う翔の瞳からまた涙が溢れてきた。その涙を唇で拭いとる。
「お前はどうしてそういうこと言うかなぁ…」
「智さん?」
次の瞬間翔がビクッと動いた。翔の中の俺が反応する。
「あっん、なに?智さん…」
「そりゃそうだろ…そんな可愛いこと言われたら自然に反応するって…」
俺は苦笑いをすると、翔は顔を紅く染めた。
「あの、智さん…動いて、いいですよ?」
翔が視線を伏せてそんなことを言うから
「あっん!また、なんで?」
翔が背中をしならせた。
「だからぁ、お前のせいなんだって…もう無理、我慢の限界」
「あっ!んっ…」
少し腰を引いて再び押し込んだ。
「どう?大丈夫そう?」
翔は恥ずかしそうに首を縦に振った。それを合図にゆっくりと動き出す。
「あ、あっ、ん…はぁっん…」
顔を紅潮させ艶を増していく表情と喘ぎ声。翔に煽られ動きが激しさを増す。
「あぁっ!待、って…あっ!さと…さ、ん!」
翔の爪が俺の肩に食い込む…
「翔…痛い?」
「あっん、ちがっ!あっ!なん、か…へ、ん…あっ!」
翔が一段と背中を反らせた。
「ここ?」
さっき突いた場所と同じ所をもう一度突いた。
「ああぁっ!」
翔が首を横に激しく振り体を捩ろうとするから片足の膝裏に腕を入れ動きを封じた。
「やぁっ!やめっ!あんっ!あっ、あぁっ…」
翔にキスをして舌を差し込むと必死に吸い付いてきた。
「ふっん、んっ、んんんっっ!」
肩を掴んでいた手も俺の頭を抱え込む。腕の力が入るのと同時に下も締め付けられ俺も頂点を迎えようとしていた。
「しょっ、ごめ…も、イク…」
翔がコクコクと頷くのを見て、翔の中心に手を伸ばし擦った。
「あ、あ、はぁ、んっ、ああぁっっっ!!」
「んぁっ!」
腰を最奥へ押し込むと、翔が一際大きな喘ぎ声を出し体をしならせるとふたりほぼ同時に熱を吐き出した。