第8章 Lovers
「あんがと」
ペットボトルを受け取り水を口に含んだ。ペットボトルをテープルに置いて翔の腕を掴み引っ張った。
「えっ?」
驚きの声をあげる翔の顎に指を添え力を加えて唇を開かせる。薄く開いた唇に唇を合わせると口に含んでいた水を流し込んだ。
「んっ…」
翔の喉がゴクッと鳴り、飲み込み切れなかった水が顎から首へと伝っていった。その水を舌で拭い取る。
「あっ、ん…」
翔の顔を見るとうっすらと頬をピンクに染めてはいるが、さっきの行為の熱が冷めきっていないせいか艶かしい表情を見せる。
もう一度ペットボトルを手に取り水を口に含んで翔に視線を送ると、唇を少し開け待ちわびてる表情…後頭部に手を回すと瞳をゆっくりと閉じた。
唇を押し付け水を流し込むのと同時に舌を差し入れた。水を飲み込みながら舌を絡めてくる翔…ほんとにキスが巧くなった。キスの行為自体上手くなったけどその前の表情が俺を煽る。
何度も絡み合う舌と舌…翔の腕が俺の首に巻き付くとそのままゆっくりと押し倒した。
「ふっ、ん…」
呼吸が乱れてきて鼻に掛かった声が漏れる…もっと可愛い声が聞きたくて首筋に顔を埋め軽く吸い付くと
「あっん…」
首を反らせ喘ぎ声を出す。喘ぎ声も艶を含むようになってきた。更に下の方に吸い付くようなキスを落としていく。ピクッピクッと小さく反応する体…浴衣の襟元を開き鎖骨に沿って舌を這わせた。
「んっ、ふっん…」
浴衣を強引に開き露になった胸に吸い付くと背中を大きくしならせた。
「ああっ!んっ…」
大きな喘ぎ声が漏れ、慌てたように口許に手の甲を当てるけどその姿が悩ましいくらい綺麗でずっと見ていたくなる。体を離し手だけで愛撫し続けた…それだけで反応する体を見て楽しんでると
「さ、とし、さん…」
翔がうっすらと涙目になってる目で俺を見る。
「も、やぁ…さと、しさん、も…」
やべ、ひとりで楽しみ過ぎたか…恥ずかしいって言ってたもんな。