第8章 Lovers
「はぁ~、流石に逆上せてきたな、お湯も一回抜かないといけないし、そろそろ出るか」
立ち上がって翔に手を差し出すと、翔が俺の手を掴み立ち上がった。
「そうですね…俺も色んな意味で疲れました」
「上司相手の飲み会よりこっちの方が疲れたか」
「はい、刺激が強くてドキドキしっぱなしだったので…」
「ははっ、部屋に戻って休もう」
着替えを済ませ風呂のお湯を入れ換えて部屋を出た。
相葉たちが待つ部屋に戻るとふたりはビールを飲んでいた。
「あ~、おかえり~」
「おかえりなさい、温泉気持ちよかったでしょ?」
「おぅ、サンキュー、凄い気持ち良かったよ」
「あれぇ?温泉が気持ち良かったのかなぁ?ねぇ、翔ちゃん?」」
相葉が翔の方を見ている。ほんとにこいつはそういった事には鋭いんだよなぁ。
「え、あ、うん…温泉、気持ち良かったよ…」
翔も翔で分かりやすいんだよな…まだ顔が艶っぽいし、頬も紅く染めてるし俯いてるし。ヤバいなぁ、その表情…また触れたくなっちゃうだろ。
「まあ、そういうことにしておくよ」
あれ?珍しいな、ニノが話に入ってこない?いつもだったらここぞとばかりにあれこれと言ってくるのに…
もしかして…相葉に近付き小声で話す。
「お前、昼間温泉行ったとき、ニノに何かしたのか?」
「え、なんのことですか?」
ニヤっと笑い飄々と答える相葉。
「なるほどな…だからニノが追求しないのか」
「ふふっ、まぁ、俺と大野さんは同志ということで、これからもよろしくお願いしますね?」
「今回はマジで助かったしな…しょうがない、何かあったときは協力するよ」
「ありがとうございま~す」
爽やかな笑顔を見せるけど、中身はかなりエロいなコイツ。
「さて、和さん俺たちは向こうの部屋に行きますか」
「そうだな…じゃあ、智、翔ちゃん、おやすみ~」
ふたりが立ち上がった。
「え?お前ら帰ってこないの?」
「帰ってくる必要ないでしょ?部屋とってあるんだもん」
「それもそうか…」
ニノが俺の方に歩いてくると
「ねぇ、準備してあるの?」
耳元で囁いた。
「何を?」
「エッチの準備だよ」
「してるわけねぇだろ!」
思わず大声を出してしまった。
「智さん?」
「あぁ、ごめん、なんでもないから」