第8章 Lovers
「うん、俺も翔に触られてドキドキしてる…いつも翔もこんな風にドキドキしてくれてるのかな…」
翔は思いっきり首を縦に何度も振った。
「ドキドキしてます…もう、全身が心臓になったみたいにドキドキして、苦しくなる…」
「そっか…そんなんじゃ気持ちよくなるどころじゃないよな…」
翔の手を掴んだまま俺の体を這わせた。
「智さん⁉」
翔は目を開き慌てて手を引こうとしたけど手に力を込め阻止した。
「翔…俺がいつも翔にしてあげてるみたいに俺の体、触って…」
「無理ですっ!恥ずかしすぎる…」
真っ赤な顔をした翔が首を横に振る。
「翔…俺、翔がいつもどう感じてるのか知りたい…恥ずかしいなら俺も翔の体に触れるから俺と同じことしてみて?」
優しく語り掛けると翔は小さく頷いた。
湯船の中で膝立ちして翔を引き寄せキスをする。背中に腕を回し背中をそっと撫でた…翔はビクッとしながらも同じように俺の背中を撫でた。それだけでゾクゾクする。キスを続けながらお互いの体を撫で回す。
「んっ、」
「あっ、」
ふたりしてキスの合間に声が漏れる。段々気持ちよくなってきて今度は胸の辺りを撫でた…翔はビクッと動くと今度は俺の胸を撫でる…今度は俺がビクッと動く…キスも自然と深くなってきて貪るように舌を絡め合いながら、お互いの体を這う手は休むことなく動き回る…
「はぁっ、翔、ヤバい…お前に撫でられると凄い気持ちいいんだけど…」
「…俺も…智さんに触れているせいか、いつも以上に気持ちい、い…です」
そう言う翔の表情が色っぽくて我慢出来なくなった…お湯の中に手を忍ばせ翔の中心部に手を伸ばし少し硬くなったその部分をそっと握った。
「あっん!」
表情だけじゃなく声も色っぽい…握った手を少し動かすと
「あっ、やぁっ、んっ!」
翔の表情と声が艶を帯びる…
「やあっ!さと、し、さん…あぁっ!」
翔の手が俺の腕を掴んだけど構わずに動かす手のスピードを上げると、翔は俺の両肩を掴み倒れこんできた。
俺の肩に頭を乗せ必死に首を振る翔…
「も、やめっ!あっ!やあっ…ああっ…さ、としさ、ん…も、ぉ…あっ!」
限界が近いのか肩を掴んでる指に力が入り爪が食い込んできた。
「あぁっ!」
一際色っぽい喘ぎ声が聞こえると翔は体をビクンビクンと震わせた。体から力が抜け、俺に体重を預けるように抱きつく。