第8章 Lovers
エレベーターを降り、鍵に付いた番号の部屋に着いて鍵を差し込む。
「智さん、この部屋なんですか?」
ドアを開けながら翔を見ると首を傾げてる。
「相葉が借りてる部屋」
「え?雅紀が?どうして?」
「この部屋、露天風呂がついてるんだって」
翔を招き入れ自分も部屋に入り鍵を掛ける。
「露天風呂?それなら大浴場にもありましたよ?」
「まぁね、でも俺も相葉も同じ理由で大浴場には行きたくないんだよ」
「同じ理由?」
歩みを進め風呂場に入る。
「そう…俺も相葉も恋人の肌を他の奴らに見せたくないの」
そう言うと翔は顔を紅く染めた。
「誰も見ませんよ、そんなの…見たところでなんとも思わないだろうし」
「まあ、普通はな?でも岡田みたいな奴もいるし…お前とニノは気にしなくても俺と相葉が嫌なんだよ」
翔は少し驚いた顔をした。それからふっと笑顔を見せると
「ほんとだ…智さんの方が独占力が強い」
「だろ?それに関しては自分でも嫌ってほど分かってるから」
「…でも、嬉しいです、そう思って貰えること…智さんにちゃんと想って貰えてるんだって安心する」
「俺、ちゃんと翔のこと好きだって示せてない?」
「いいえ、わかってはいるんです…でも智さんに幸せにしてもらってる分、俺がちゃんと返せてないからいつか嫌われるかなって…」
「どこが返せてないの?俺、翔といられるだけで幸せだよ?」
「…いつも我慢させてるのに?」
「まだあいつらの言ったこと気にしてるの?いいんだって、俺がそうしたいだけなんだから」
「でも…」
「『でも』じゃないよ、もういいから風呂入るぞ?ニノと相葉もまた入るみたいだからそうそうゆっくりもしてられない」
「…わかりました」
脱衣所で俺が服を脱ぎ終わっても翔はまだ脱ぎはじめてなくて
「どうした?」
「いえ、あの…先に行っててください…」
顔を背けている翔…顔が赤い?
「うん、じゃお先」